大学編入コース(2019年度実施)
基礎ゼミナール
大学編入後の準備として
新しい学び方に触れる
高校までの授業では、教科書に沿って「理解」することや「覚える」ことが重視されます。大学ではそれらに加えて、自分たちで資料を「探し」たり、他の人と「議論」したり、レポートとして「まとめる」など、新しい学び方が求められます。この「基礎ゼミ」はグループで内容をまとめて発表し、新たな学びを身に付けていくことをねらいにしています。今回はフランス文学者・鹿島茂による「考える方法」と題された小エッセイをベースに発表が行われました。グループからの発表に対して、学生からの質疑応答が行われるとともに、担当教員の山口先生からは「仮説を立証する方法」や「文章を批判的に読む」ことなどが話され、大学で主体的に学ぶために必要なことが随所に織り込まれた時間となりました。
ここが注目ポイント
- 1 主体的に学ぶ姿勢を身につけることができる
- 2 グループで発表し、議論しながら実践的に学べる
- 3 知識豊富な教員と一緒に、自分の学びたい世界を探せる
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授業の始まりは、課題レポートの返却から。一人ひとりにコメントを出しながら丁寧に返していきます。
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グループ発表が始まりました。それぞれがグループ内で議論したり、共同で資料を調べたりしながら、自分なりの解釈を交えた発表を目指します。
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「考える方法」に日本文学を絡めた発表。文学への愛情が溢れる内容に一同聞き入りました。
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真剣に見つめる山口先生。ときおりメモを取りながら、みんなで考えたいポイントや、課題を洗い出していきます。
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発表のあとには、学生との質疑応答へ。山口先生によれば「志望学部は違っても、学びのあり方は同じ」ということです。
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学生たちの質問に加わるように、山口先生からは「文章を批判的に乗り越えていこう」というメッセージが送られました。
このコースに入って自分のやりたい分野がはっきり見えてきた。
私のグループは「大学のファクトリー化」をテーマに話しました。大学が一種の人材工場のような側面を持ちつつあることを、批判的な立場で発表しました。このテーマについて考えていくうちに「学びたいことを学ぶ」ことを、自分は大学生になってからも大事にしたい、と思えるようになりました。
高校生のときは数学が得意だったので、なんとなく経済学部志望でしたが、この大学編入コースに入って自分のやりたい分野がはっきり見えてきました。教養入門の授業で色々な分野の講義があるのですが、政治・政策についてのお話がすごく面白くて、今は政策に関すること、特に観光政策や地域振興政策について大学で深く学びたいと思うようになりました。山口先生にもいろいろと相談に乗っていただいていて、とってもいいアドバイスをくださる、優しい先生です。将来は観光の分野で働きたいと思っているのですが、まずは目指す大学に入れるように勉強を続けていきたいと思います。
浦井 爽真さん
大学編入コース
講師コメント
この授業は学生みんなで作っていく授業です。課題図書はありますが、議論がどのような展開になるか筋書きはありません。私は「本の内容を焼き直しただけの発表はダメだよ」と言っているので、一人ひとりがどのように語り、考え、どんな反応が生まれていくのか、まったく分かりませんし、ドキドキしながらも毎回楽しみにしています。大学での専攻分野はそれぞれ違いますが、どの学問でも共有する「考え方の筋道」のようなものがあって、学生一人ひとりが本を読み思考し、議論する中で体得していってもらいたいと思っています。大学以降の学びは、高校のときと違って「答えはひとつではない」こと。多様な考え方ができるように「そういう考え方もあるよね、他にはどう?」と常に問いかけています。このコースの良さはいろいろありますが、見識の高い先生方も揃っている上、大学と違って学生との距離がすごく近い。卒業生たちから「ストレートに大学に入るよりも良かった」と言ってもらったことも何度もあります。最初から大学に行くよりも「濃い」4年間にできる環境がここにはあると思います。
山口 孝行先生
受講中の学生インタビュー
改めて自分の可能性について考えることができた
私の場合、高3のギリギリまで大学を受験していたのですが、その時は「入れるならどこでもいい」という心境になっていました。でも、このコースに入って色々な先生と話をしていくうちに、改めて自分の可能性について考えることができたし、広げられたと思います。この授業で他のグループの発表を聴いて「大学で学ぶ意味ってなんだろう」と考える機会になり、大学編入を目指す意味を再確認できました。山口先生はいつも私たちを大いに励ましてくださって、「まだまだいける!」と背中を押してくださいます。大学では英語の指導法について学びたいと思っています。やりたいテーマをしっかり勉強して、将来の夢である英語の教師になれるように頑張りたいと思います。
北村 梨江さん
大学編入コース