今回、質問に答えてくれたのは小野原さん(滋賀県・私立比叡山高校出身)と大久保さん(兵庫県立明石南高等学校)。2人がインターンシップで訪れたのはニュージーランド・クイーンズタウン。
世界中から観光客が訪れる自然豊かな観光地です。それではQ&A、スタート!

(写真 左:大久保さん 右:小野原さん)
基本的な質問
●海外インターンシップって何ですか?
小野原さん(後:小)大久保さん(後:大):海外でフルタイムの仕事をすることです。
私たちが学校を通じて参加したプログラムでは給料がもらえました。
現地に行って3ヶ月間ビジネススクールに通い、その後5ヶ月間働きました。
●海外インターンシップに参加した理由はなんですか?
小:実際に英語を使って仕事をしてみたかったからです! 大:刺激がほしかったからです。学校とバイトの日常から、どこかで何かを変えたくて行きました。
●ワーホリとインターンシップ、何が違いますか?
小・大:ほとんど一緒です。ワーキングホリデービザを取得すると海外で働く経験ができます。
●インターン先はどうやって決めましたか?
小・大:学校のプロジェクトに参加しました。接客業の仕事をやりたかったので、レストランで働きたいと先生に相談しました。
●語学力はどれくらい必要ですか? 小:あまり心配しなくて大丈夫です!私はそんなにレベルが高くなかったです。 最初は単語だけで会話したけど、現地で慣れて上達しました。
大:私も低かったけど、意欲と自信をもっていれば大丈夫です。
●参加費用はどれくらいかかりますか?
小・大:渡航前に200万円くらいです。現地で130万円の収入があったので、実際は70万円程度です。
●現地で日常生活にかかる費用は月どのくらいでしたか?
小・大:月に約14万円。食費などの生活費が4万円くらい、家賃が10万円でした。
インターンシップについて
●実際にどんな仕事をしましたか?
小:レストランのフロアスタッフです。
大:私も小野原さんと同じレストランで一緒に働いていました。
●1日どんなスケジュールで生活していましたか?
小:ビジネススクールでは8時から13時まで授業を受けて、午後はフリータイムでした。
大:インターンシップで勤務先のレストランはシフト制。11時からスタートして短い日は15時、長い日は23時までの勤務もありました。
16時から23時のシフトもありました。
●海外インターンシップの中に難しかったことはなんですか?
小:英語力です。あと、中国人のお客さんに中国語でバーッと話しかけられて困りました…!
大:お酒の種類を覚えることです。海外は18歳から飲めるから、年下の同僚よりお酒を知らなくて悔しかったです(笑)。
●海外インターンシップ中に楽しかったことはなんですか?
小:英語で話すことです!仕事にも慣れたころには、より英会話も楽しめるようになりました。
大:世界的に有名な地域にあるレストランだったので、海外からも訪れる観光客や同僚と異文化交流ができたことです。
●初めての海外生活で驚いたことはなんですか?
小:雨なのに傘をささないこと!(笑)。結構降っていても、服についているフードだけで済ませちゃうんです!!
大:夏に街中を裸足で歩いているのを見たときです。渡航前、聞いてはいたけど本当だったとは…。
●語学力が足りないなと感じたことはありましたか?
小:もともと苦手だったリスニングには苦労しましたが、現地で慣れたことが成長に繋がりました。
大:お客さんのオーダーが聞き取れなかったときですね。同僚が助けてくれましたし、だんだん慣れていきました。
●勤務先ではどんなサポートがありましたか?
小・大:職場の先輩が5日間かけて仕事内容を丁寧に教えてくれました。
●現地で友達を作るのは難しかったですか?
小:まったく難しくありませんでした!ビジネススクールではフレンドリーな人が多くて、話しかけやすかったです。サウジアラビアの人たちは声が大きい!(笑)明るくて積極的でした。
大:様々な人が集まっているので、共通の趣味の人もいるから仲良くなれると思います。向こうから話しかけてくれることもありました!仲良くなったのはタイやペルーの人です。
学びや成長について
●海外インターンを通じてどんなスキルが身につきましたか?
小:リスニング力は上がりました。仕事の面では、お皿を下げるタイミングなど国によって接客を変えるおもてなしは就職してからも活かせるなと思いました。
大:コミュニケーション能力です。世界中から来店されるお客様に対し、その国に応じた接客を心がけました。
●自分に自信を持つきっかけはありましたか?
小:お客さんから「英語が上手」「発音がいいね」と褒められたときです。
大:オーダーが完璧に取れたときですね。特にお酒のオーダーです。同僚たちとも自然に会話ができたのもうれしかったです。
●日本との働き方の違いを感じたことはありますか?
小・大:上司との距離感が近いことです!フランクに話しかけることができました。
●異文化理解で大切だと感じたことはなんですか?
小:挨拶です。海外の人は積極的に挨拶してくれるので、大切だなと思いました。
大:どんな文化も受け入れることです。日本では考えられなくても「世界にはこういう文化もある」と認めることは大切だと思います。
●現地で何かチャレンジしたことはありますか?
小:仕事を1日も休まずに頑張ったことです!
大:現地でラグビーを観戦しました。目の前で観たオールブラックスのハカは迫力がすごかった!
渡航準備について
●応募書類や面接はどんな内容でしたか?
小・大:ビジネススクールが間に入って書類などをサポートしてくれたので安心して参加することができました。
●渡航前、英語力を上げるためにどんな準備をしましたか?
小:日本と現地・ニュージーランドの文化の違いを学ぶために、異文化理解の授業には積極的に参加しました!
大:森先生にTOEICの模擬プリントから出題してもらい、1対1で練習しました。
●必要なビザの取得はどうしましたか?
小・大:自分で書類を取り寄せ、先生と一緒にオンラインで申し込みます。
ビザもやり取りも全部英語でした!
●どんな保険に入りましたか?
小・大:海外用の保険に加入しました。
傷害保険や帰国後も使える保険など色々入った学校推薦の保険パックです。
●現地での住まいはどうやって見つけましたか?
小・大:ビジネススクールが現地の寮の中から空き部屋を割り振ってくれました。決められた部屋に入居します。
●荷物は何を持っていきましたか?
小:常備薬!現地の薬が自分に合うかわからないですし、値段も高いので必要です。
大:洗濯ネットとスリッパです。(小野原さん:絶対いる!!)洗濯機のパワーが強いので、服を守るために絶対いります。スリッパは、寮の室内に土足で入る人がいて、床に葉っぱが落ちていることもあるので(笑)
●失敗しないための準備のポイントはありますか?
小:渡航前の授業で、文化やマナーを教えてくれたので…学校に任せていいと思います♡
大:新谷先生の話をよく聞くことです(笑)
現地での悩みや不安について
●海外に行くことに不安はなかったですか?
小:めちゃめちゃ不安でした!親元を離れたこともなくて、食事とか生活面が不安でした。でもホームステイ先のご夫婦が、食事には生野菜をメニューに入れてくれたりと環境にも恵まれていたのでとても楽しく過ごすことができました。
大:私も一人暮らしも海外に住んだこともなかったので不安でしたが日本から持ってきた材料を使って工夫しながらご飯を作るなど、自立できたと思います。
●ホームシックになりませんでしたか?
小:最初はかなりなりました…渡航の翌日から休む間もなく授業で疲れちゃって。家族に「頑張れ」って言われて乗り越えました。
大:私はなってないです(笑)ホームステイ先に日本人の友人ができたのも大きいですね。
●お金の管理はどうしましたか?
小:最初は換金した5万円だけ現金で持って、あとはカードと現地での収入で生活しました。
大:カードを使っていました。お給料は現地の銀行で開設した口座に振り込まれていました。
●現地で病気になったとき、どうしましたか?
小:私は日本からの常備薬で過ごしました。
大:現地で流行っていた感染症にかかり、近所の病院へ行きました。仕事を2日休むと勤務先に診断書の提出が必要だったからです。2万4千円もかかったけど、帰国後に保険で全額戻ってきたので安心しました。
●治安が心配だったエリアはありましたか?
小:なかったです。
大:ないです。カギを開けたまま寝ていられるくらい安全でした(笑)
生活について
●現地の食事はどうでしたか?
小:ホームステイ先の夕食がハンバーガーやポテトの日もあり「これお昼ごはんじゃない??」って思うメニューだったことはありました(笑)
大:私は正直合わない時もありました…。グリンピースとジャガイモが続くときはきつかったです。レストランのまかないで食べたサーモンの巻き寿司はおいしかったですね!
●どんな住居に住んでいましたか?
小:私は2階建てで、リビングもキッチンも広くてきれいでした!浴室はシャワーのみでした。タンクに溜まったお湯を寮のみんなで使うので、残量を気にしながら入っていました。ブラジル人の寮長が使いすぎるので困りましたね(笑)
大:都会にある寮だったのもあって、様々な国の人がいるから汚い場所も…。水回りはきれいでした。
●移動手段は何を使いましたか?
小:バスです。タクシーは割高でした。
大:バスはどこまで行っても2NZD$(約200円)※だったので乗っていました。
※値段はその時の為替レートによって変動します。
●休日はどう過ごしていましたか?
小:お買い物したり、ゆっくりしたりしました。帰国前にはクルージング観光をしました!
大:小野原さんの寮に行き、月2回くらい餃子パーティーを開催しました。ブラジル人など海外のルームメイトも参加していました。餃子初体験だったルームメイトは感動して、小野原さんにレシピ聞いていました(笑)
●携帯の契約はどうしていましたか?
小:海外対応のSIMに切り替えて、現地のギガプランを使っていました。
大:無制限のプランはなかったのが残念でした。金額は日本より少し高いかな?くらいです。
●現地の美容院には行きましたか?
小:怖くて行かなかったです。だから伸ばしっぱなしでした。カラーもプリン超えて、上半分くらい真っ黒になりましたけど。逆にオシャレだと思って過ごしました(笑)。
大:男子で行っていた人はいましたね。現地のオシャレカットにされていました。
●基礎化粧品やシャンプー、何を使っていましたか?
小:シャンプーは日本にいる時から海外メーカーの商品を使っていたので困らなかったです。
大:洗顔フォームや化粧水、日焼け止めは多めにいると思います。紫外線が日本の約7倍強いらしくて。現地の商品を使うのは肌に合うかわからなくて、持っていきました。コンタクトと眼鏡も日本から持っていきました。
●電圧が気になる海外。何を使っていましたか?
小:プラグを変えれば大丈夫です。アイロンは海外対応のものを持っていきました。
大:ドライヤーは海外対応のものを持っていきました。家電製品は海外対応のものがいいかも。
●海外の水質で肌荒れはしましたか?
小:最初は肌荒れしました…硬水だからですかね。
大:日本帰ってきたらまた肌荒れしました笑現地の水に肌が慣れたのかもしれないです。
●気候はどうでしたか?
小:ジメジメしていないから暮らしやすかったけど、とにかく暑かったです!
大:同じ度でも日本と違って激暑です。湿度はないけど汗だくになります。サングラスや帽子もあるといいかもしれません。
●日本食が恋しくなりましたか?
小:はい!お米も現地で買えましたが、日本のお米がやっぱり1番おいしいですね。好きな味のふりかけを持っていくことをオススメします。生卵は怖くて食べられなかったし、お寿司も巻きずしが多かったので生ものが恋しかったですね。
大:推しはめんつゆ!(笑)うどんにもチャーハンにも使えるのでよかったです。
●現地での買い物事情はいかがでしたか?
小:お肉もカップ麺もあるし、困ったことはなかったです。お水も水道水を飲んでいたので買わなかったです。
大:お店に行けばなんでもありましたね。
仕事について
●同僚との関係はどうでしたか?
小:めっちゃ最高でした!上司や同僚とも対等に話せる感じがフレンドリーでよかったです。
大:みんな年代も近くて楽しくワイワイやっていました。
●インターンで成功したと感じた出来事はありましたか?
小:お客さんから「英語上手だね!」と褒められたり上司には月に1回の面談で、仕事ぶりを認めてもらえたことはうれしかったです。
大:オーダーが完璧に取れたときです。同僚のみんなが褒めてくれました。
●海外から見た日本人の特長などありましたか?
小:レストランで働いていて、日本人は食事のマナーがいいと感じました。同じ日本人としてうれしかったです。
大:お客さんや同僚など親日の方やアニメ好きの人から話しかけてもらえたのはよかったです。
お金について
●もらった給料で生活はできましたか?
小・大:できました!家賃や生活費を支払っても、給料の半分は残っていたので全く問題なかったです。
●節約術があれば教えてください!
小・大:レストランではまかないが出て、食費が浮いたことがかなり節約になりました。
●インターン先での給料はどのように振り込まれましたか?
小・大:現地の銀行で開設した口座に振り込まれました。給料は週ごとの支払いでした。
●交通費や食費はどれくらいかかりましたか?
小・大:生活費が4万円くらい、家賃が10万円くらいです。
●旅行や観光にどれくらい費用をかけましたか?
小:航空券とホテルで10万円かかりました。私はお土産をたくさん買ったので、プラスで7~8万円使いました。
大:合計で20万円くらいあれば大丈夫だと思います。
●最も高かった出費はなんですか?
小:家賃です!口座から毎月引き落とされていました。
大:スーツケースを買いました。お土産をつめるために1個使いました(笑)。お土産は地域のスーパー、PAK’nSAVEだけで販売されているクッキーがめちゃめちゃ喜ばれました。
人間関係について
●現地の人と交流した中で印象深かったことはありますか?
小:周囲の環境も良くて、楽しかったです!同僚にはかっこいい人もいましたよ!
大:アレックスですね、18歳のかっこいい人でした(笑)
●言葉が通じなくても仲良くなれましたか?
小・大:仲良くなりました!自分も会話に入りたいアピールが大切です。
●現地の友人とは今でも連絡をとっていますか?
小・大:来月、現地のカップルが来日するので大阪や京都を観光案内する予定です♡
●周囲の人に助けられた経験はありますか?
小:仕事が大変な時、同僚が「自分もそうだったよ」と声をかけてくれたのはうれしかったです。
大:ホームステイ先のご飯が少なくて…サラダと白身魚のフライだけで主食はなかったです。同じホームステイ先の留学生がママとバトルしてくれて(笑)改善されたので助かりました。
●日本と現地での礼儀作法の違いはありましたか?
小:基本的に変わらないと思います。初対面で肩組んできたり、ハグされたり距離感が近いぐらいです。
大:ホームステイ先のママが気を遣ってくれて箸を出してくれたけどメニュー的に使いづらくて(笑)。フォークとナイフの方が使いやすかったですね。
帰国後のことについて
●現地のサポートはどうでしたか?
小・大:現地に在住している自分たちに専属のエージェントさんがいました。
手厚いサポートもあって、なんでも相談できるので安心でした。
●帰国後にどんな変化がありましたか?
小:自分のスケジュール管理はちゃんとしようと意識するようになりました。
大:帰国してからハワイへ旅行に行きましたが、英語での会話に困らなかったです。その時に英語力が伸びたなって実感しました。
●次の目標を教えてください!
小:英語力が活かせるホテル業界へ絶対就職したいです!海外インターンシップの経験をしっかりアピールしたいです。
大:外資系企業への就職が目標です。英語を使って海外で働いた経験を活かしたいと思います。
●海外インターンシップを高校生におすすめしますか?
小:はい!学生のうちに経験がオススメです。社会人になってからだと、帰国してまた就活は大変だと思うので。
大:今まで海外に興味がなかったけど、ほかの国にもワーホリしたいと思うようになりました。就活にも役立つからオススメですね。
お2人とも貴重なお話&お写真をありがとうございました!!