2021.10.15
こども教育
絵本の考察 「スイミー」
こども教育コースでは、「保育」と「英語」の両方を学ぶ、全国でも珍しいカリキュラムを提供しています。
今日は、文章力トレーニングという授業の中で、「保育」の観点から、「スイミー~ちいさなかしこいさかなのはなし~」を考察しました。
皆さんは、この絵本を読んだことはありますか?オランダ出身の絵本作家である、レオ・レオ二さんが、今から約60年前の1963年に出版されました
絵本に限らず、文章の中には主題、副題そして隠されたメッセージがあるものです。特に絵本の中には。こどもたちに直接訴えかけるものと、読み手である大人へのメッセージが隠れていることが多いと感じます。
~あらすじ~
兄弟たちと異なる色をもつスイミーという小さな魚が、ある日大きな魚によって兄弟たちを失う。その後、別の自分と似た魚たちと出会い、協力して大きな魚を追い払うことに成功した。
スイミーは、最終的に仲間との協力によって、捕食者である大きな魚を追い払うことに成功します。あらすじだけ見ると、「力を合わせると、たとえ小さな力でも大きな力に対抗することができる」というハッピーエンドですよね?しかし、このお話はそれだけでは終わりません。まず、兄弟全員が食べられてしまうという残酷な現実とスイミーは向き合います。これは「避けられない理不尽」を表します。その後、彼は姿かたちの全く違う様々な生き物と遭遇します。彼らはみなそれぞれ懸命に生きており、「ダイバーシティ(多様性)」に触れます。その後、自身の異形(色が違う)ことを生かして、彼は大きな魚を打ち負かすのです。
更に、打ち負かす際、さらっと「朝から昼」の描写があります。これは、少なくとも5~6時間以上は粘り抜いて諦めずに努力した結果です
このように私は捉えました。みなさんはどうでしょうか?児童文学を色んな角度から考えると、とても面白いですね。絵本という少ない文字から想像し、考察していく作業はとても楽しく学びになります。この物語を知らない人も知っている人も、今一度この物語に触れてみてはいかがでしょう
「 I'll be the eye. -ぼくが、目に なろう-」 スイミーより引用 レオ・レオ二(絵本作家)